あなたは、ラインウェイト(線ウェイト)というものをご存知でしょうか?
線の重さ?と思った方もいらっしゃるんではないでしょうか。
もちろん2次元のイラストの線に重さなどありませんよね...線の太さの違いを表す言葉です。
例えば、以下のイラストは令和2年度テクニカルイラストレーション技能検定2級(令和3年1月17日実施)の課題で10点部品がある内の1部品です。
ちょっと表現が試験に沿っていないかもしれませんが、手元に試験問題(課題図と一緒に配られる、書き方の指示文書)が無いため、以下の赤矢印の部分の表現は???です。
上図のとおり、イラストの線の太さは一律です。
これは試験問題にラインウェイトは付けてはいけないと指示があるためです。
実は、ラインウェイトを付けた方が立体感が出て見栄えが良いんです。
以下はラインウェイトを付けたイラストです。
どうでしょう?
イラストをよく見てください...線の太さはどういう判断で付けているかお判りでしょうか?
定義としては、その線を挟んだ2つの面が見える場合は細線、片面しか見えない場合は太線という感じです。
実務では、コストカットのため最近ではウェイトは付けなくて良いというのが主流です...綺麗になるのに少し残念です。
では、何で技能検定試験ではラインウェイトを付けないのでしょうか。
これは多分、手書き時代の名残です。
手書き時代には、テクニカルイラストレーション手書き作業とテクニカルイラストレーション仕上げ作業という2つの試験に分かれていました。
手書き作業とは今行われている試験と同じで、鉛筆やシャープペンシルで作図をする試験です。
仕上げ作業とは、この鉛筆で書かれたテクニカルイラストを下に敷いて、上にトレーシングペーパーを乗せてインクペンで清書をする試験です。
(多分トレース台等を用いていたと思いますが、この試験は私が直接関係したわけではないので詳細は不明です)
つまり、ラインウェイトを付けるのはこの仕上げ作業の領分であったのだと思います。
テクニカルイラストレーション仕上げ作業はずいぶん前に廃止となっています。
パソコン時代になり、トレースという作業自体が無くなってしまったからだと思います。
このラインウェイトですが、時々目にするのが以下の様に外形線だけ太くするという物...。
ちょっと、中途半端な気がします...。
ちなみに、私は3Dデータがある場合はXVL Studioというソフトを使用してイラスト化しています。
このソフトは、3Dデータからイラストを作成したり、アニメーションを作成したりできるソフトです。
■当サイト内のXVL Studioの紹介ページ
■XVL Studioの販売元のラティステクノロジー㈱のサイト
イラストを出力すると、ラインウェイトの線の太さ毎にグループ化されていて、簡単に線の太さを変えられます。
もちろん設定により、ラインウェイトが付いた状態でもイラスト化できます。
よろしければご確認ください。
では。