この仕事を始めるに当って...もう25年も前の話ですが...とりあえず通信教育で数か月テクニカルイラストを学んで、まあテクニカルイラストレーション技能検定2級~1級程度(描け
るけど試験に受かるレベルの時間では無理!)の実力はあると思っていた...ような状況で、一番問題だったのが営業。
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この仕事始めるまではシステムエンジニア...いやいやプログラマー...。
システムエンジニアは聞きなれなくても、プログラマーは判るでしょう。
そうコンピューターの...。
一応、社内ではシステムエンジニアの肩書...チーフ(いわゆる係長レベル)でした。
システムエンジニアって、複数のプログラマー達をまとめ上げて1つのプロジェクトを完成させる、プログラマーの親分的な感じの人たち...って言われていますが、そんなすごい人、私が
やっていた頃には日本で数名と言われていた...それっぽい事してる人は多数いましたが、実際できていた人はほんの一部...。
要は数億~数十億円のプロジェクトをまとめて行けると言う事は、プログラムのみならずスケジュール管理、人事や教育、対外交渉、グループ間管理、売り上げ管理や上司に対する報告・問題提起
等々、あらゆる事ができないと...。
そんなん無りです!絶対的な経験が必要...20代、30代では無理です!
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まあそれは良いとして...。
つまり、完全にイラストとは畑違い。
そんな中で、どうしても仕事を得るには営業が必要ですよね...元の会社から仕事を融通してもらうことが不可能ですから。
ではどうするか。
いろんな本を読むと飛び込み営業だとか書いてありましたが...私のような引きこもって仕事をする人間には無理です...一応考えましたけどね...。
もう、営業の手紙書いて、その中にイラストサンプル入れて、とにかく郵送するのみ!
まだメールなんてものもなかった時代です。
それでも25年くらい前は、100通郵送すると5~10社位は興味をもっていただいて、その内1~3社位は仕事になったんですよ...まあ続くかどうかは別として...。
その頃のお客さんで続いている所が、今の時点で3社。
続かなかった会社の理由が、会社の移転・合併や倒産、代替わりで若社長とはほぼ面識もなく...。
仕方がありません。
まあ最初の頃はそんな感じでメーカー系で少しは仕事になっていたんですが、その頃知り合ったマニュアル系の会社からの仕事が多くなって助かったんです...。
そのうち手紙を送っても1社も反応ない時代が...世の中徐々に変わっていくんです。
それでも営業は必須...他の手段を考えなくては!
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ちょうどその頃、どうしてもお客さんが紙ではなく流用できるパソコンのデータで欲しいと...。
まあ、そういう時代になるよねって思っていましたが...私がプログラマーだった頃はまだまだパソコンは普及していなくて...でも社会人になる前に学校でPC8001Mark2というパ
ソコンでニーモニック(いわゆるマシン語の簡易高級言語?であってるか?)を使って制御ロボットを動かしていましたが...マニアの中ではパソコンはほぼほぼ流通し始めていましたが、一般的には
まだまだ...。
まあそれでもプログラマーやっていたころには「筆まめ」とかのソフトも流通し始めて(ちなみに今は別の会社が販売しているようですが「筆まめ」最初に販売していた会社が私がプログラマーやっていた会社です)徐々にパソコンも一般的にはなってきていたみたいです。
データで欲しいと言われたらこちらも電子化しないと生きていけない...そう、それまでは手書きでした...シャーペンで下書きしてロットリングペンで清書。
ロットリングペンとは、まあインクペンです。下の様な感じの物。
考え方は万年筆と同じ...分解して中のインクボトルに下の補充用インクを入れて描くペンです。
数種類の太さがあって、線を描き分けるわけです。
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その前まではカラス口(ぐち)...とんがった平たい板2枚の間にインクをにじませ、板2枚をネジで止めて、ネジでその板のすきまを調節して線の太さを調整...そんな道具。
下の様な道具です。
さすがに私の時代には使っていませんでしたが...。
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手描きからパソコンへは前職が前職なので何の抵抗もなく...というか率先して...。
しかしお金がない!
まだお客さんも数社でとても食べていけない...貯金切り崩して...パソコン買って...。
その頃はデータのみでなく紙でも欲しいと言われた時代です。
つまりプリンターが必要なんです...それも最低でもA3...その前にはA2のペンプロッターを使っていました。
ペンプロッターって温度・湿度管理されている所でないと厳しいと知りませんでした...ペンプロッターが動いている間にトレーシングペーパーが湿気でシワシワになって、ペンプロッター
のペン先がトレーシングペーパーに接して線を引きずって...悲惨です。
そのうちにA2の必要が薄れてきて...手書きの頃は実寸で描くのが当たり前でしたので実寸が入る紙のサイズを考えていましたが、お客さんは冊子にしたいとか...つまりA4です...。
まあA3が印刷できれば問題ありません...って、A3出せるレーザープリンターって20万円位してたんです!
近くの電気屋でプリンターの印字品質を何とか確認して、選んだのがエプソンのLPシリーズ。
近くの電気屋では価格とか品揃えとか問題でしたので秋葉原へ。
購入したのがツクモ電機です。
どうせなら営業もしちゃおうかという下心で、描いたイラスト持って行って「これ貼ってもらえません?」...お店の人、OKしてくれて少しの間貼っておいてくれていたみたいです。
少しして、Autodeckという会社から連絡が...「ツクモ電機で見ましたが、あのイラスト本当にAutosketchで描いたんですか?」って。
「はい。」
「Autosketchの次のバージョンのパンフレットにあのイラスト使わせてもらえませんか?」
「はい。」
それで本当に使っていただきました...って、実物のパンフレット持っていたんですが今はどこにいったのか...。
まあ、これで私のところに仕事が舞い込んだかは...未だ不明です。
営業については、手紙は出し続けていました...もっとほかの営業形態は無いのか!
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そんな中、私の古いホームページ「テクニカルイラストレーターの!!!」を見たという方から連絡が...職業をまとめた本を出すのでテクニカルイラストレーターも載せたいとか...。
取材のためのアンケートを渡されて...掲載されましたが営業的効果は不明...その本が以下の本。
この本も頂きましたので、探せばどこかにあると思うんですが...。
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営業といえば雑誌にも投稿したことがあります。
何のアポもとらずに、勝手に雑誌社に郵送...掲載されました。
この雑誌、「CAD&CG」...既に廃刊になってしまいましたが私敵には非常に毎月楽しみでした。
2次元CAD・3次元CAD・ドローソフト・ペイント系ソフトその他それに付随するハードなども幅広く取り上げていた雑誌。
税別¥1400-と高めでしたが毎月購入していました。
その掲載された号が以下の号。
で、掲載内容が以下のもの。
これでも営業的効果は不明でした...。
この本、復活しないかな~。
では。
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