ボールベアリングの描き方

今回は、玉軸受(ボールベアリング)の書き方です。

ボールベアリングではJIS規格番号の6302等の後ろにZZやuuが付くことも多く、これはシールド(金属カバー)やシール(金属以外のカバー)が付くことを表してます。

ベアリングの中に埃など異物が入らない様に保護材が付いているのですが、イラストで書くとただの円柱になってしまいますので今回はシールドが無い、玉が見えるベアリングを書いてみます。

以下の様な図面のボールベアリング(それこそ規格6302の寸法)です。



今回は外輪の角Rを1mm程度の面取りとして書いてみます。

アイソメ図では細かい寸法はあまり意識せず、大まかに書く方法が一般的です。


まず、10mm楕円をコピーして15mm楕円と42mm楕円を書きます。



次に42mm楕円より一回り小さい40mm楕円程度の楕円を書き、その上のアンカーポイントにくっつく様に42mm楕円を下にずらします。



42mm楕円を10mm/270°にコピーし、外形の円柱を完成させます。



10mm楕円の横のアンカーポイントから下方へ直線を書き、その直線を40mm楕円の同じ位置のアンカーポイントにコピーします。



この間を4等分するために、ブレンドでステップ数3とします。





分割・拡張をクリックし、ブレンドを解除します。





10mm楕円をCtr + cでコピーし、Ctrキーを押したままFキーを3回押します。

その後、3つコピーされた10mm楕円をShift + Altを押しながら、先程の直線の上のアンカーポイントにくっつく様に拡大させます。



直線と10mm楕円は削除し、2番目の小さい楕円を1mm程度下にコピーして、内輪を作成します。



その1つ外側の楕円をベアリングの厚さ13mmの半分の6.5mm/270°方向に移動します。

これがボールの中心円になります。





次にボールを配置しますが、JIS規格ではボールの大きさの規約がありませんので、厚み13mmの半分より少し大きい程度(今回は7.5mmとしました)で書いていきます。
※等測図なので122%を忘れないように...。

書いた円をブレンドで9個増やします。





9個にしたのは、ボールを全部で10個にしたかったからです。

ボールの数も規約に無く、イラスト的に丁度いい感じの数にするのが一般的です。

手書きの頃は楕円定規で簡単に割り振れる8個が多かったでが、個人的には8個は少し少ないかと思います。


先程の楕円の上のアンカーポイントをハサミツールで切り、ブレンドしたボールと両方選んでブレンド軸を置き換えます。







分割・拡張をクリックし、ブレンドを解除します。



ダイレクト選択で一番上の円をクリックして選択し、Deleteキーで削除します。

楕円を軸にブレンドしたので、始点と終点の円が重なります。

ですので1個削除するのでブレンド数が9個となり、全部で11個の円としたのです。


円を選択ツールで選択し(グループ化されているので円が全て選択されます)、矢印キー(上方向)で以下の位置程度まで移動させます。

元のままですとボールの多くが見えないので、見える位置まで移動させるのです。



重なりの部分を削除すると以下の様になります。



実際のベアリングでは、ボール同士がぶつかったりしないように個々のボールを保持する部品が入っていますが、それを書くとボールベアリングである事が一目では判りづらくなりますし、ほとんど見えないものを書く手間も無駄なので省略します。

ラインウェイト・ハイライトを付けると以下の様になります。





では。