過去の技術も必要になる!

皆さんはパーツリストとかパーツカタログという言葉を聞いたことがあるでしょうか?

あまり耳慣れない言葉だと思います。

私が数年通っていたメーカーさんでは、パーツリストだとリストの意味合いが強いし、パーツカタログだとパーツの写真が並んでいて値段が書いてあるいわゆるカタログの意味合いが強い感じがすると言って(海外ではそんな感じで捉えられる?)、パーツガイドマニュアルなどと造語で読んでいたり...。

要は、製品の分解図(拡散分解図)と部品リストが対になっていて、このイラストのこの部品はこちらのリストではこれで、名称や使用されている個数、部品の材質や図面番号等々、いろいろな情報を一覧できる資料の事です。

イラストの方は平面的だと判りづらいので、テクニカルイラストレーションという技法(あくまでも技法です。デッサンの練習では会得できません。)で描かれた立体図・斜視図と呼ばれるものです。

例えばこんな感じ。





今から25年前くらいまで(そう、ちょうど私がこの世界に入った頃)は機械の設計図はほとんどが手書きでした。

パーツカタログ制作のためにテクニカルイラストレーターに渡される資料は、当然紙の図面がメインです。

パーツカタログが必要になるのは新製品を開発した時からですので実物が無い場合が多く、有っても試作機。

その後改良されるので当てにならないし数台なので非常に高価なものになっています。貸し出しなんてなかなか...。

もちろんイラスト作成も鉛筆で下書き後、ロットリング(ニードルペン)で清書という過程で制作しました。


そんな時代から2次元CADに時代へ。

渡される資料は紙図面とCADデータです。当然作成方法も変化していき、CADデータを変形させて作成したりします。



今の時代は3Dが当たり前なので3Dデータを渡されるのです。

その場合、「このデータ形式は対応可能ですか。」とまずは聞かれます。それに対応できないとその仕事は他の方に行ってしまう事も当然考えられます。

私はXVL Studioというソフトウェアを使用していますので大抵の場合は問題なく扱えます。

このソフトのすごい所は当サイトの別ページに出ていますのでそちらでご確認ください。

それでも3Dだけ扱えればテクニカルイラストレーターと呼べるのでしょうか?

今の時代はここで書いてきた方法全てができなければ生きていけないのが現状だと考えています。

実機はある、2Dも3Dもデータ無し、この条件でパーツカタログを制作してほしいと言われる案件もあります。

つまり、写真を見ながら直接テクニカルイラストを描かねばならないのです...これは厄介です!

ある写真を見るとここの部品はこんな感じの形状だと描いたとして...他の部分を描くときに別の方向からさっきの部品が映っている!考えた形状と違う!
こんな事が頻発します!


まあ、どんな技術も下地があっての事。過去の技術が不要だなんて言っていたら生きていけませんよね!

同感の方は、是非日本ビジュアルコミュニケーション協会のセミナーでお会いしましょう!

では。

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2019年06月05日